オンライン打ち合わせの質を引き上げる参加者の心得
ここ数週間で、いきなりオンライン打ち合わせが増えた。主にZoomだ。前から定期的にはあったが、本当に一気にこの流れがきた。これから状況が収束したとしても、オンラインでの打ち合わせは主要なコミュニケーション手段として定着すると思う。
打ち合わせのための移動がなくとても利便性が高い一方で、慣れないと、どうしてもリアルの打ち合わせよりはコミュニケーションが浅くなるというか、ちょっともどかしい点も残る。やはり、面と向かうよりもビジュアル情報が少なかったり生の音声でなかったりするので、普通の打ち合わせのつもりでやってると意思の疎通がうまくいかないこともある。
そこで、「少し気をつける」だけで、かなりコミュニケーションの効率が上がるというポイントを挙げてみたいと思う。
ファシリテーター/議長が誰かを明確にすること
普段の会議だと、わざわざファシリテーターを指名することがないことも多い。阿吽の呼吸やアイコンタクトだけで発言のタイミングを計れるし、5人くらいまでであれば、わざわざ仕切る人がいなくても会議はスムーズに流れる。
しかしオンラインだとそうはいかない。普段無口な人はさらに無口になってしまい、オンラインミーティング中は一回も発言しないままという事態も発生したりする。話すのが苦手な人はリアルのミーティングでも発言タイミングに苦慮するのに、オンラインだと余計にそうなってしまうのだ。
だから、あらかじめファシリテーターを決めておき、参加者みんなが発言できたり、議論の方向をいつもより意識的に明確にしていくことが大切だ。
身振りや手振りを大きく
Zoomを使った場合、以前の技術に比べると随分と画像や音声がクリアに伝わるようになった。ありがたいこと。しかしそれでも、やはりリアルの空気感とはだいぶ隔たりがあるのは仕方がない。
オンラインミーティングで戸惑うのは、自分が話しているとき、相手の反応がとてもわかりづらいことだ。大人数になればなるほど一人あたりの画像も小さくなっていき、表情も読みづらくなる。だから普段より、「あれ、自分の話、まったく受けてない…? 」と心配になってしまう。これはあるあるだと思う。
だから、相手の話には大きくうなずいてあげたり、手を使って同意を示す、そういうアクションがあるとコミュニケーションがとてもスムーズにいく。また発言の機会に「手を上げる」などの動きがあるととても分かりやすくなる。普通のミーティングだとこんな派手な動きをしてると恥ずかしいぜ、それくらいの加減がちょうどいいと思ってる。
全体の流れをできるだけ事前に見通しておくこと。仮説を持っておくこと
特に参加者がオンラインミーティングに慣れてない場合、「出たとこ勝負」のミーティングだと実り少い場合になってしまうことが多い。その場のノリ、みたいなものを出すのがリアルなミーティングより難しいので、あらかじめ論旨を明確にし、ミーティングのあらすじを描いておくことがより重要だ。
だからアジェンダの重要性はリアルのみーティングよりも高くなるし、「何を決めるミーティングか」についても、参加者の意思をあらかじめ統一しておくことが重要。一人が長くしゃべりだすと、議論の主旨と外れてきてもそれを制止するのが(他の参加者の表情や空気感が伝わりづらいこともあり)難しいため、ミーティングの道すじがあちこちに脱線する、ということもよくある。
アジェンダやゴール決めは普段のミーティングでももちろん大切だが、オンラインでは本当に大切だ。
オンラインミーティングにうまく参加するスキル、運営するスキルはこれから非常に重要になると思う。いまは大変な社会状況ではあるけど、それだからこそ、できるだけ円滑なコミュニケーションが実現できるようにしたいものだ。

代表理事。長崎県五島列島福江島出身。栄養士の資格をもった料理男子。
この記事へのコメントはありません。